揺らめくしっぽとお戯れを始めそうな自分自身の右手を
俺は必死の状態で、何とか静止させる。
何より困惑するのは、この状況云々よりも常識を逸脱しすぎた状況に
瞬時に順応する驚きの能力を発揮した俺の『右手』
「・・・・マジで、勘弁願いたいね・・・・」
そう何とか落ち着き払った声を絞り出す俺を嘲笑うかのように
小刻みに震える俺の右手。
・・・・気を抜いたら、ヤラれる。
何にやられるのかは置いておいて。
そう直感した俺は、右手に体重を掛けつつ行動で抑制を図る。
兎に角、この状況で右手が戯れに走れば、俺は大切な何かを失う気がした。
本気で。
そんな一人芝居のような、俺にとっては悲惨としか言いようのない中。
当事者の一人は、俺のことを楽しそうに眺めていた。
もちろん、俺の身体に猫のように擦り寄りながら。
全身の倦怠感を感じずにはいられない俺は、溜息もそこそこに現状の理解に勤める。
「まず、こんな状況になった原因は?
というか、エドにしっぽがあることがそもそもの間違いではないのか。
つまり、これは夢か?」
そんな事を考える俺の胸に、強力な攻撃が加えられる。
「ッう゛・・・・!!?ごほっ・・・・」
咽る俺に乗っかったまま、トロンとした目つきで見つめるエド。
夢でないことは、確かに理解した。
しかし、この現状では、俺の身に危険が。
・・・・・状況の整理もままならない。俺、このまま殺される?
そう感じずには、いられない。
とりあえず、この手に余る状況を打破するために、俺は副官を呼びつけるのであった。
暫くして、俺の必死の声を含んだ救援要請に、失笑という侮辱的な反応を示した副官がやって来た。
彼女は半ば俺が一人芝居でもしているのだろうと、デジカメとアイスノンを持って部屋に訪れる。
一人芝居は、否定しない。あえて、受け入れよう。
しかし、デジカメとアイスノンの理由を簡潔に応えろ!
と、どんなに叫びたかったか。
しかし、そんな儚い俺の願いも、無邪気なエドに阻止されて叶わなかった。
部屋に入ってきて、俺の冗談でもないと理解した副官は、初めて俺に聞いた。
「・・・・どうしたんですか、これ。」
今まで、俺の声は何一つ信用されていなかったことに、上官として涙を浮かべた。
取り合えず、何とか自分が説明できることだけを説明し終えると、副官は何かを納得したように部屋を去っていった。
俺をひとり残して。
・・・・・・何故、俺を残して行ってしまうんだ。
という言葉は、あくまでもジャレついて来るエドによって阻止される。
どうも、いかがでしたでしょうか。
最遊記と正反対で、凄く短い区切りで申し訳ないですが。
というか、最遊記に限らず、亜惣の書く基本的小説って良い感じがないような気が。
極端に長くなったり、短くなったり。
色んなサイト様を回ってて、読みやすい短編のような長さのものを見るといつも思います。
嗚呼、こんぐらいの長さが丁度よくって、集中して見れるのよね〜って(笑)
書くほうとしても、実際そうだったりする時も、あるかもしれません(どっちだ)
凄く書きたくて書きたくて、思うが侭にタイプしていて長くなったりするんですが。
文章が可笑しかったりね。
もうこれは、ある程度時間を置かないと発見できません。
なんせ、自分の中に根本が在るのでそれとダブってしまうわけですよ。
だから、ヒートした熱を下げた2日後から1週間後ぐらいのちょっと大人しくなったぐらいが一番発見し易い。
と、勝手に亜惣は思っております。
たまに、改装の時や思い立った時に読み返したりするんですが。
そん時に、あまりの誤字にこっそり入れ替えたり、爆笑したりしますからね。
ということで、関係ない話で盛り上がりましたが。
版権の中でも、異色ですがちょっとづつカキカキしていければと思っております。
楽しんで頂ければ幸いです。
では、では。
2007/09/19